減圧
「ああ、ダメだこれ死んじゃうな」
気密室の中で、減圧が下がって行くのを感じながら私はぼんやりと考えた。
身体がパンパンに膨れ上がり、今にも目玉や腸が飛び出しそうだった。
私はこの気密室の中で殺された後、死姦が好きなあのクソデブに売り飛ばされるのだという。
クソデブの気持ち悪い笑みが頭から離れない。
ああ、人生こんなもんか。
好きな人とセックスもしてないのに終わるんだな。
死んでも尚気持ち悪い奴に犯されるなんて、本当についてない。
こんなことになるなら、何かしら行動しとくんだった。
見ると、減圧がマックスまで下がっていた。
それを確認した瞬間、肛門から長い長い腸が飛び出した。
目玉もいつ落ちてしまうかわからない。
私はあまりの痛みに嘔吐し胃の中を空にした。
まだ意識があるのが不思議だった。
減圧実験が終わり、気密室の扉が開いた。
私の目の前にクソデブが立っていた。
「なんだ、死ねてないのか。可哀想にな」
クソデブは私の足元にまわり、飛び出た腸を思いっきり引き抜いた。
魂ごと抜き取られるんじゃないかと思うほどの痛みに、声にならない声をあげた。
なんで死ねなかったんだろう。
クソデブはグッタリした私を乱暴に俵担ぎし、気密室を後にした。