酒の肴
全身真っ黒の二人組が突然、家に押し入って来た。
弟と二人で家にいた私は、すぐに弟を裏口から外へ逃がした。
私も逃げよう! と、外へ出ようとした瞬間。
ゴン、と大きな音がして頭に衝撃が走った。
鈍器で後ろから殴られたようだった。
私はその場にうつ伏せで倒れ込み、話すことも動くことも、できなくなってしまった。
男達は慣れた手つきで私の服を全て剥ぎ取り、うつ伏せのまま私の腕と足をそれぞれ拘束した。
何をされるんだろう、と妙に落ち着きながら考えていると、男が口を開く。
「お前の家を今から燃やす。その前に、お前には酒の肴になってもらう」
言うと男は、魚を解体するときの包丁を取り出し、私の背中の首の下からお尻の上まで一気に切り裂いた。
ジンジンと背中が痛み出したが、声はあげられなかった。
ブチブチと筋肉や脂肪を包丁で裂き、掻き分けながら、ようやく背骨に到達した。
そのままアジの開きみたいに、ガパッと背中を開かれる。
脂肪のような黄色や白の塊が私の目の前まで飛び散る。
男は次にサラダ油を取り出し、素手で私の背中に丁寧に塗りこみ、ライターで火をつけた。
私が思わず嘔吐すると、「折角の料理を台無しにするな!」と、再び頭を殴られて頭蓋骨が陥没した。
私の身体はあっという間に燃えた。
暫く焼かれ続け、丸焦げになったところで、ようやく目を覚ました……。