ユメ日記

私が見た夢を綴ります

ワイン

ソファに座ってワインを飲んでいた。

メルローの赤ワインだった。


メルローは甘い」

「いやぁワインはどれも渋く感じる。それにメルローは身体が溶けると聞くよ」

「え、溶ける?」

「ドロドロに溶けて、血液が全てワインになって、自分もワインになるの」


隣で知らない男が言った。

直後、ソファが溶けだした。


「あ、本当だ……


ソファの下から上へ、そして次に私の足が溶けた。

足から太もも、お腹、胸、赤く染まって溶けた身体は、大きなワインボトルに吸い込まれた。

戦争のあとに


長かった戦争が終わり、奴隷としてこき使われていた私達民衆は、兵士たちの帰りを待ち、料理を用意したり、踊りの練習をしていた。


兵士たちは、予定よりも早く帰ってきた。

あまりにも早すぎて料理の用意が終わっていなかったため、兵士たちは全員非常に機嫌が悪く、民衆の一人を拷問して遊びだした。

生きたままナイフで肉を少しづつ削がれ、苦しそうにもがく民衆を見て私は気を失った。


目が覚めると、部屋は血まみれになっていた。

そしていままでずっと一緒にいた友達が、どこにもいないことに気がついた。


兵士たちの目を盗んで私はゆっくり地面を這う。

目の前に大きなガラスのケースがあった。


中にはホルマリン漬けになった友達が入れられていた。

左胸から顔面の皮膚が剥がされて、骨と筋肉が露出し、そこだけ人体模型のようになっている。

友達は美しかったから、ただ拷問されて殺されるんじゃなくて、このまま永久に保存されるんだな、と、なんとなくわかった。


「なんだお前、生きてたのか」

後ろから突然声をかけられた。

振り向くと兵士の一人が笑っていた。

「酷いです、こんなことするなんて」

「こんなレベルで酷いだと?」

確かに、周りにはもっと酷い殺され方をした人が沢山いるけれど……。

「じゃあ今のお前はどうなるんだ?」


え?


友達が入れられているガラスケースに、反射した自分の姿が映る。


私は、目から下の全てが無かった。

目と脳味噌だけの存在になっていた。




目が覚めました。

なかなか怖かったです。

ベルトコンベア


私は何らかの罪を犯した人々と一緒に、生き地獄巡りをさせられていた。
五つくらいまわったような気がする。
二つしか覚えていないが……。

一つは、針山地獄。
針の沢山生えた山をひたすら登るというもの。
時折地雷が埋まっており、数人の手足が吹き飛んでいたが私は無事だった。

二つめは、ベルトコンベア地獄。
私は気がついたら一人で仰向けに寝かされていて、横幅は三メートルほどあったが、鼻の先から壁(つまり天井)までは僅か十センチほどしかなかった。
起き上がれない、寝返りも打てない、ほとんど身動きができない状態だった。
床はベルトコンベアになっていて、どこかへ運ばれているようだった。
程なくして、頭の方から水が流し込まれてきた。
水はすぐに天井いっぱいになって苦しかったが、何故か息はできた。

ずっとずっと、どこかへ流される。
それも結構なスピードで……。

三十分ほど流され続けて、他の生き地獄巡りをさている人が、私に追いついて流れてきた。

「ここから出たいのですが、出口は無いんですか? 私、閉所恐怖症だから今にも発狂しそう」
私が聞くと、その初老の男性は言った。

「お嬢さん、帰るところはどこ?」
「日本です」
「なら出口は、頭の方向に4000キロほど進んだ方向にある」
「え……この流れに逆らって4000キロも戻らないといけないんですか」
「一日ではつかないね。更に眠るとどんどん距離が開いていくから、眠らずに、足を止めてはいけない」
「そんな」

「ワシはもう諦めたよ。もう三十年はここにいる。最初は頑張って歩いていたさ。でも絶対に無理なんだ。二度とここからは出られない。死ぬこともできずに永遠に流され続けるんだ」

あまりの絶望に呼吸が乱れ、息が苦しくなって涙が溢れた。
溢れた涙もすぐに水に溶けてわからなくなった。
ひたすら目の前の壁(天井)をバンバンと叩いて「助けてー!」と叫んでいると、やがて目が覚めた。



目が覚めた後も布団の中だったので、夢の中かと思って非常に怖かった。
あの初老の男性は、まだ夢の中で生き地獄を彷徨っている気がする……。

酒の肴


全身真っ黒の二人組が突然、家に押し入って来た。

弟と二人で家にいた私は、すぐに弟を裏口から外へ逃がした。


私も逃げよう! と、外へ出ようとした瞬間。

ゴン、と大きな音がして頭に衝撃が走った。

鈍器で後ろから殴られたようだった。

私はその場にうつ伏せで倒れ込み、話すことも動くことも、できなくなってしまった。


男達は慣れた手つきで私の服を全て剥ぎ取り、うつ伏せのまま私の腕と足をそれぞれ拘束した。

何をされるんだろう、と妙に落ち着きながら考えていると、男が口を開く。


「お前の家を今から燃やす。その前に、お前には酒の肴になってもらう」


言うと男は、魚を解体するときの包丁を取り出し、私の背中の首の下からお尻の上まで一気に切り裂いた。

ジンジンと背中が痛み出したが、声はあげられなかった。

ブチブチと筋肉や脂肪を包丁で裂き、掻き分けながら、ようやく背骨に到達した。


そのままアジの開きみたいに、ガパッと背中を開かれる。

脂肪のような黄色や白の塊が私の目の前まで飛び散る。

男は次にサラダ油を取り出し、素手で私の背中に丁寧に塗りこみ、ライターで火をつけた。


私が思わず嘔吐すると、「折角の料理を台無しにするな!」と、再び頭を殴られて頭蓋骨が陥没した。


私の身体はあっという間に燃えた。


暫く焼かれ続け、丸焦げになったところで、ようやく目を覚ました……。

都市伝説


都市伝説調査隊になった。

街で起こる様々な都市伝説を調査し、謎を解明する部隊だ。


私は同じ都市伝説調査隊の男性(初対面)とペアを組んだ。


本日の都市伝説は、

「廃ビルのエレベーター内に突如現れる巨大ペ◯ちゃん」だった。


その都市伝説は、「一人でエレベーターに乗った時、エレベーターの二階から一階に降りようとした時、背後に突如ペ◯ちゃんが現れ、乗っていた客を嬲り殺す」というものだった。


既に調査隊の中からも被害者が出ていた。




私が男性とエレベーターの乗り込もうとした時、男性が

「貴女は階段から降りて。危ないから俺一人でやる」

と、一人でエレベーターに乗ってしまった。


仕方ないので階段で、二階から一階へ降りる。


一階についた時、エレベーターは休止になっていた。


「あれ?」


私はどうすることもできないので、エレベーターの前に立ち尽くしていた。


暫くすると、エレベーターが動き出して一階に着いた。


エレベーターの扉が開く。




エレベーターの中は血まみれになっていた。


男性もペ◯ちゃんもそこにはいなかったが、男性だったものと思われる髪の毛が付着した肌色の皮膚、ピンクの臓物が散らばっていた。


私は絶叫した……。




というところで目が覚めた……。