戦争のあとに
長かった戦争が終わり、奴隷としてこき使われていた私達民衆は、兵士たちの帰りを待ち、料理を用意したり、踊りの練習をしていた。
兵士たちは、予定よりも早く帰ってきた。
あまりにも早すぎて料理の用意が終わっていなかったため、兵士たちは全員非常に機嫌が悪く、民衆の一人を拷問して遊びだした。
生きたままナイフで肉を少しづつ削がれ、苦しそうにもがく民衆を見て私は気を失った。
目が覚めると、部屋は血まみれになっていた。
そしていままでずっと一緒にいた友達が、どこにもいないことに気がついた。
兵士たちの目を盗んで私はゆっくり地面を這う。
目の前に大きなガラスのケースがあった。
中にはホルマリン漬けになった友達が入れられていた。
左胸から顔面の皮膚が剥がされて、骨と筋肉が露出し、そこだけ人体模型のようになっている。
友達は美しかったから、ただ拷問されて殺されるんじゃなくて、このまま永久に保存されるんだな、と、なんとなくわかった。
「なんだお前、生きてたのか」
後ろから突然声をかけられた。
振り向くと兵士の一人が笑っていた。
「酷いです、こんなことするなんて」
「こんなレベルで酷いだと?」
確かに、周りにはもっと酷い殺され方をした人が沢山いるけれど……。
「じゃあ今のお前はどうなるんだ?」
え?
友達が入れられているガラスケースに、反射した自分の姿が映る。
私は、目から下の全てが無かった。
目と脳味噌だけの存在になっていた。
目が覚めました。
なかなか怖かったです。
ベルトコンベア
酒の肴
全身真っ黒の二人組が突然、家に押し入って来た。
弟と二人で家にいた私は、すぐに弟を裏口から外へ逃がした。
私も逃げよう! と、外へ出ようとした瞬間。
ゴン、と大きな音がして頭に衝撃が走った。
鈍器で後ろから殴られたようだった。
私はその場にうつ伏せで倒れ込み、話すことも動くことも、できなくなってしまった。
男達は慣れた手つきで私の服を全て剥ぎ取り、うつ伏せのまま私の腕と足をそれぞれ拘束した。
何をされるんだろう、と妙に落ち着きながら考えていると、男が口を開く。
「お前の家を今から燃やす。その前に、お前には酒の肴になってもらう」
言うと男は、魚を解体するときの包丁を取り出し、私の背中の首の下からお尻の上まで一気に切り裂いた。
ジンジンと背中が痛み出したが、声はあげられなかった。
ブチブチと筋肉や脂肪を包丁で裂き、掻き分けながら、ようやく背骨に到達した。
そのままアジの開きみたいに、ガパッと背中を開かれる。
脂肪のような黄色や白の塊が私の目の前まで飛び散る。
男は次にサラダ油を取り出し、素手で私の背中に丁寧に塗りこみ、ライターで火をつけた。
私が思わず嘔吐すると、「折角の料理を台無しにするな!」と、再び頭を殴られて頭蓋骨が陥没した。
私の身体はあっという間に燃えた。
暫く焼かれ続け、丸焦げになったところで、ようやく目を覚ました……。
都市伝説
都市伝説調査隊になった。
街で起こる様々な都市伝説を調査し、謎を解明する部隊だ。
私は同じ都市伝説調査隊の男性(初対面)とペアを組んだ。
本日の都市伝説は、
「廃ビルのエレベーター内に突如現れる巨大ペ◯ちゃん」だった。
その都市伝説は、「一人でエレベーターに乗った時、エレベーターの二階から一階に降りようとした時、背後に突如ペ◯ちゃんが現れ、乗っていた客を嬲り殺す」というものだった。
既に調査隊の中からも被害者が出ていた。
私が男性とエレベーターの乗り込もうとした時、男性が
「貴女は階段から降りて。危ないから俺一人でやる」
と、一人でエレベーターに乗ってしまった。
仕方ないので階段で、二階から一階へ降りる。
一階についた時、エレベーターは休止になっていた。
「あれ?」
私はどうすることもできないので、エレベーターの前に立ち尽くしていた。
暫くすると、エレベーターが動き出して一階に着いた。
エレベーターの扉が開く。
エレベーターの中は血まみれになっていた。
男性もペ◯ちゃんもそこにはいなかったが、男性だったものと思われる髪の毛が付着した肌色の皮膚、ピンクの臓物が散らばっていた。
私は絶叫した……。
というところで目が覚めた……。