ユメ日記

私が見た夢を綴ります。

「上がりなさい」

薄暗い拷問室の中で、私を含む男女4人が全裸で狭いステージに上がらされた。


これから選別が行われる。

拷問師のお気に入りに選ばれた者は、1人だけ鞭で打たれ皮膚を剥がされる拷問を受けるのだ。


ピエロのような顔をした拷問師は、私たちの頬を掴んで一人一人顔をじっくりと見る。

私は拷問師の人を選ぶ基準がなんとなくわかっていた。

それは何をされても泣きそうにない、強そうな人だった。

そのため、すでに涙目の私は選ばれないと確信していた。


案の定、私は選ばれなかった。

選ばれたのは筋肉質の若い男だった。


選ばれなかった三人には、拷問を見守るという試練が与えられる。

私を含む三人は椅子にロープで括り付けられた。


今回の拷問で使用される猫鞭は、鞭の一本一本に棘が沢山ついていた。

さらにその鞭は硝酸に浸してある。


手を上に上げた状態で拘束された男は、すでに失禁していた。


拷問師が鞭を振り上げ、男の背中に一発目を放つ。

パチン!と大きな音がして、背中に大きな傷がついた。

その傷へ硝酸が入り込み、みるみる背中の皮膚が焼け爛れる。

男は絶叫した。

間髪入れずに二発目、三発目と鞭が打たれ、その度に皮膚がめくれ上がって血が噴き出した。

十発入れた頃には骨が見え始めたが、なおも男は叫び続けていた。


私はその様子を、ぼーっと見ていた。

そこに伴った感情は、自分じゃなくて良かった、という安心感だけだった。

知らない人に、崖から突き落とされた。

宙を舞う私の身体は、まず岩に当たって左腕が千切れた。

太ももが木に突き刺さって足がなくなった。

無抵抗の身体は頭から地面に着地し、地面には私の脳漿がぶち撒けられた。

飛び出した目玉がコロコロ回転して、丁度私を突き落とした人の顔が見える位置で止まった。

その人は笑っていた。

宇宙からの来訪者

宇宙からやってきたのか、何らかの敵が学校に襲来。

私が授業を受ける校舎は南館だったのだけれど、北館の方はもう敵の攻撃によって全滅しているとの校内放送が入った。

私はその時、先生に頼まれた書類を取りに、南館から北館を繋ぐ渡り廊下の上にいた。


先ほどまでいた南館は、元は人であったドロドロとした皮膚や内臓のようなものが床を覆っていた。

私は吐き気を抑えながら渡り廊下までたどり着いたというわけである。


渡り廊下の終点、北館の入り口まで来た時、敵の攻撃による爆発が北館を覆い尽くした。

私の爪先まで爆風が飛んで来たけれど、私は無事だった。

火に炙られてもがき苦しむ生徒たちが、扉からどっと溢れて来た。

あと1、2秒遅かったら、私も死んでいたな……と思った。


変わり果てたクラスメイトも扉から出てきた。

そこには私の親友もいた。

私は現実を受け入れられず、何も考えたくないとただ立ち尽くしていた。

ガラスの潜水艦

生まれた時から太陽は地球に接近していた。

私と親友以外の人類は死んだ。家族も、ほかの友達も。

私と親友は海を目指して歩いていた。


海に着いた2人は人生の最後、定員2名のガラスの箱のような潜水艦で海の中へ沈んでいく。


「海の底には知らん魚が結構いるね」

「深海に住む魚はまだ生きてるんだねぇ……


私達はきっと数日後には、苦しんで苦しんで苦しんで死ぬだろう。

でも死ぬのは別に怖くない。


「ところでそこの大きなタンクは何?」


親友は、私が持ってきた酸素のタンクを指差して言った。


「酸素」

「はい? 延命してどうすんの」

「だって、こんな上手くいくなんて思ってなかったからさぁ……

「早々に潜水艦が弾けて海の中に放り出されるかもしれないって?」

「うん」

「潜水艦が弾けたら酸素ボンベ咥える前に水圧で死ぬわ」


親友は呆れていた。

私だってそのくらいわかっていた。


太陽がいよいよ地球に迫ったのは、今から三年前。

その時はまだ、皆熱さに苦しみながらも生きていた。

まさか私達が地球最後の2人になるなんて、誰も予想していなかっただろう。


潜水艦は沈む。

潜水艦は沈んでいく。

マリアナ海溝よりも深く。


「来世はどんなだろう?」

「来世なんてないよ。デスノートで読んだ。死んだらもう永遠に闇の中だって」


最後に私らしくない弱音を吐いた。

死ぬことが急に怖くなったわけではなかったが、明日には私も親友もこの世にいないのだと思うと、不思議な感じだ。

番組の企画


モニター募集!

番組の企画です。

自殺してくれる人を募集します♫

自殺する人の家族に一千万を差し上げます!


自殺の方法は全然怖くありません。

強力な毒のカプセルを飲んで頂くだけ!

苦しまずに死ねます!

いかがですか?




というふざけた番組のモニターに、応募した覚えは全くなかったのだが、私が採用されてしまった。

マイクを持った司会が、「今から死んで頂きますが、気分はいかがでしょうか?」と私に聞いた。


「そうですね、若干緊張していますよ」

「現世にお別れする悲しさはありませんか?」

「不思議と悲しさはありません」

「あら、そうですかあ」


司会は私にカプセルを二錠渡した。

二錠一気に飲んだらすぐに死ぬらしい。

私は独房のようなところに入れられた。


「さあ、死んでください♫」


独房の鉄の扉に窓は付いていなかったので、外の様子はわからなかったが、観客がいるらしく、外は騒がしかった。

私は、この薄暗くて狭い牢屋のようなところで、たった一人で、今から死ぬんだと実感した。

きっと死んでしまったら、悲しくはないだろう。死後の世界には何もないだろうし、だったら今、死ぬ直前に悲しい気持ちになるのはおかしな話なのだ。

死ぬ前に、私が最後に感じる感情が「悲しさ」だったり「恐怖」だったりするのは、なんだか勿体ない気がした。


私は二錠、口の中に入れてすぐに水を飲んだ。

そして大切な家族が、一千万を手にして喜んでいる姿を思い浮かべた。

裁判


裁判にかけられた。

私が、人を2人殺したからだ。


私が殺したのは、百貨店のエレベーターで遭遇した母娘だった。

その親子は私の母に対して信じられないほどの罵声を浴びせていた。

カッとなった私は手に持っていた包丁で、まず娘の方をメッタ刺しにした。

泣き叫ぶ母親も一緒に刺した。


私は自首した。

日本では2人以上の殺人を犯すと死刑になると記憶していた。

裁判で、私はやっぱり死刑だった。


刑務所で死刑の瞬間を待った。

ぼうっと薄汚い天井を眺めながら、死ぬってなんだろうと考えた。

例えば眠る時のような。

夢を見ずに眠る時のような感じなのだろうか。

眠って、一瞬で朝になって目が覚める、その一瞬が永遠に続く感覚なのか。

それならば眠るって死ぬってことなのか。

あの一瞬に人間は少しだけ死んでいるのだろうか……。


暫くすると、「お時間です」と、人間が2人私の牢屋に入ってきて、死刑が執り行われる場所へ連れて行った。

てっきり薬を打たれて安楽死すると思っていた私は、絞首台を見て初めて恐怖を覚えた。

ワイン

ソファに座ってワインを飲んでいた。

メルローの赤ワインだった。


メルローは甘い」

「いやぁワインはどれも渋く感じる。それにメルローは身体が溶けると聞くよ」

「え、溶ける?」

「ドロドロに溶けて、血液が全てワインになって、自分もワインになるの」


隣で知らない男が言った。

直後、ソファが溶けだした。


「あ、本当だ……


ソファの下から上へ、そして次に私の足が溶けた。

足から太もも、お腹、胸、赤く染まって溶けた身体は、大きなワインボトルに吸い込まれた。